内視鏡の症例 食道カンジダ症
食道カンジダ症、食道にカビ?
食道カンジダ症とはどのような病気でしょうか?内視鏡を専門にしていると時折お目にかかる疾患です。少し聞きなれない病気ですが、実を言いますと、勤務医時代の私もこの病気を持っておりました。
一口に説明すると、食道にカビが生える病気です。カビの名前が、カンジダです。正式名称は、カンジダ・アルビカンスといいます。この病気は体力が落ちて、免疫が低下した時に発症しやすいといわれます。悪性腫瘍やHIV感染、糖尿病に合併して起こる病気です。私はそのどれにも当てはまりませんでしたが、過労気味で体力が低下していたようです。同じような疾患を、私よりも若い患者さんで、胃内視鏡をしているときにお目にかかります。症状は何もないことが多いのですが、重症化すると、飲み込みにくかったり、胸がしみるような感じを訴える方がいます。その症状は、食道がんや逆流性食道炎とよく似ていますのでご注意ください。
治療は、もともとの病気(悪性腫瘍やHIV感染、糖尿病など)を治療することですが、私のような過労状態の患者さんでは、当然ですが、休養が一番です。症状が強い時には、カビの薬、フルコナゾールという抗真菌薬(こうしんきんやく)もあります。私も含め、疲れ気味のみなさんにとって気を付けたい病気です。